梅毒について
梅毒について
梅毒が急増しているというニュースを最近目にしたことはありませんか?
実際に、梅毒患者報告数は男女とも増加しています。
2021年には、1999年に感染症法に基づく調査が始まって以降、最も多い報告数(2,451件)となりました。
男性は20歳代~40歳代、女性は20歳代で増えています。
梅毒は性行為で粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。
感染した時の皮膚の発疹が楊梅に似ているため「梅毒」という名前がついています。
検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
病原体
原因菌は梅毒トレポネーマという細菌です。
どのように感染するか?
性行為によって皮膚や粘膜の小さな傷から梅毒トレポネーマが侵入し、感染します。1回の性行為での感染率は約30%と報告されています。具体的には性器と性器、性器と肛門、性器と口の接触で感染します。
赤ちゃんの時にお母さんの体の中で胎盤から感染することもあり、その場合には先天梅毒と呼ばれます。
症状
梅毒は最初の段階では慣れた医者でも診断ができないことがあり、血液検査での診断が重要です。梅毒は感染してからの時間によって症状が変わっていきます。具体的には1〜4期に分類されています。
第1期(感染3週間後〜)
粘膜から感染した部位にしこりや潰瘍、鼠径部のリンパ節の腫れが起こることがあります。
特に治療をしなくてもこれらの症状は2、3週間でなくなり自然と無症状になります。しかしこの時にも他人に感染する力はあります。感染して4週間経つと検査で引っかかるようになりますのでこの時期から検査はすることができます。
第2期(感染3カ月〜3年)
身体、手のひら、足の裏などに赤い斑点(梅毒性バラ疹)が広がります。自然と数週間で消えることもありますが梅毒が良くなったわけではありません。
薬疹や風疹、麻疹などに間違うこともあり、見た目では診断が難しいこともあります。
第3期(感染後3年〜)
皮膚や筋肉、骨などにしこりができます。近年ではほぼ第3期までに治療を開始されています。第3期以降になると他の人に感染することはありません。
第4期
ここまで進行すると全身の臓器に病変ができ、血管や脳に影響がでて、重篤な症状に進行します。
検査
静脈採血を実施し、血液の検査を行います。
感染してから4週間以上経っていれば検査で調べることができます。
治療法
ペニシリンの内服が一般的です。
自然治癒する病気ではありません。放っておくと梅毒が進行するため早めに医療機関に相談するようにしましょう。
白山通り皮フ科 JR巣鴨駅より徒歩1分